一般社団法人 福井県眼鏡協会
会長 黒田一郎
サバエメガネメッセの開催にあたり
福井県の眼鏡産業は明治38年福井市麻生津村生野の地で増永五左衛門翁が大阪よりメガネ職人を招聘し創業されました。以来、今日まで110年を越える歴史を経て、日本で生産されるメガネ枠の95%を超えるシェアーを誇る世界に冠たる技術力・開発力・品質力を擁するめがね産地として今日を迎えました。これも先人のたゆまざる努力と先見性の賜であります。
しかしながら、近年中国をはじめとする安価なメガネ枠が世界の市場で大きくシェアーを伸ばし福井産地は大変難しい時代を迎えております。福井県の眼鏡産業はOEM生産を主体に成長してまいりました。そうした中で、自らの製品を自らの責任で販売することを怠ってきた傾向があり、市場が成長期から成熟期を経てグローバルな競争の時代を迎え、大きく国内外の市場シェアーを落とし、生産高もピーク時の 40パーセント近くにまで減少しております。
しかし、近年はクールジャパンの背景の中で日本製品が見直され、福井県で生産されるメガネ枠も鯖江のめがねとして高く評価を頂き復調の兆しを見せております。昨年には (一社)クールジャパン協議会が初めて開催した、外国人が選ぶクール(かっこいい)な日本固有の文化・芸能そして製品等の一つとして「鯖江のめがね」が選ばれました。また、日本貿易振興機構(ジェトロ)による地域貢献プロジェクト(地域の稼ぐ力を創造するパイロットプロジェクト)の第一回認定プロジェクトの一つとして「鯖江のめがね」が選ばれました。大変に光栄なことであり、こうした皆様の高い評価と期待に応えると共に、カオスの時代にあって世界に発信できるメガネ産地を目指し、産地が一丸となり将来を見据え、新しい時代に向けてのステップとして「サバエメガネメッセ」を開催します。産地のブランディングや技術開発・イノベーション等に取り組む姿をご覧いただきたいと思っております。また、同時併催で「めがねフェス」を開催致しますのでお楽しみいただければ幸いです。
産地の110年の歴史の中で培われた技術はメガネ枠だけではなく、医療器具や電子部品など様々なる分野に応用されております。産地の歴史と技術の集大成、新たなる時代に向けた産地の可能性、そして「安全・安心・高品質」のメガネ、産地でなければといった取組み等をご紹介してまいります。
世界に羽ばたく福井県の眼鏡産業、更なる飛躍に向けてチャレンジする眼鏡産地の姿を全国の小売店様やバイヤーの皆様に見ていただき、これからのビジネスにご活用いただければ幸いです。また、全国のメガネ好きのユーザーの皆様にも是非ともお越しいただき「サバエメガネメッセ」及び「めがねフェス」を楽しんでいただければ幸いです。